〜 イノベイティブな半導体、エレクトロニクス、エネルギー技術のソルーション 〜

Innovative Semiconductors, Electronics, & Energy Solutions

タグ一覧

コラム 解説

SiCのフランク型積層欠陥 (7)
〜 ショックレー変位を伴う余剰フランク型積層欠陥 〜

はじめに

連載のその(6)ではショックレー変位の無い余剰フランク型積層欠陥の積層構造について考察しました。ショックレー変位の無い余剰フランク型積層欠陥を純粋な余剰フランク型積層欠陥と呼ぶことにします。次に、ショックレー変位を伴う余剰フランク型積層欠陥の積層構造について考えます。

ショックレー変位を伴う余剰フランク型積層欠陥を作る

ショックレー変位を伴う欠損したフランク型積層欠陥の場合と同じようにして積層構造を作成することができます。作成モデルを図7-1に示します。毎度似た図が出てきますし、考察の仕方も毎度同じなので冗長な内容かもしれません。

図7-1の(a)では余剰な四面体層を1層挿入して、その上側の結晶全体にショックレー変位を与えて作成するやり方で、この図では例として左方向に変位した状態を示しています。(b)では余剰な四面体層を1層挿入して、その下側の結晶全体にショックレー変位を与えて作成するやり方。図では右方向に変位した状態を示しています。この連載の“その(2)”や”その(5)”で見たように、図7-1 (a)と(b)の積層の構造は最終的に同じものを含むと推察されます。

図7-1 ショックレー変位を伴う余剰フランク型積層欠陥の積層構造の作りかたの一例。(a)四面体層を1層挿入して、その上側の結晶全体にショックレー変位を与えて作成するやり方。図では左方向に変位した状態を示している。積層欠陥をまたいで、下から上方向へ構造を作ったときのモデル。(b)余剰な四面体層を1層挿入して、その下側の結晶全体にショックレー変位を与えて作成するやり方。図では右方向に変位した状態を示している。積層欠陥をまたいで、上から下方向へ構造を作ったときのモデル。

図7-1(a)の作成の仕方で作ったショックレー変位付きのフランク型積層欠陥の構造を図7-2に示します。

図7-2 ショックレー変位付きの余剰のフランク型積層欠陥の一覧。図7-1(a)の作り方で作った構造。赤文字は新たに挿入された四面体層。緑文字はショックレー変位を加えた四面体層。積層欠陥の作成の仕方を便宜上示す名前もつけている。4AC’B→Aの4は図7-1のやり方で作成した構造を意味する。AC’B→AはA層の上にC’層を新たに導入し、その上の層でB→Aの変位を与えていることを示す。

ページ : 1 2 3 4

カテゴリー:

コメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


PAGE TOP