図 4-1の操作を具体的な例で考察し、フランク型積層欠陥と部分転位のコア構造について考察します。ABA’C’…の完全結晶のBを消去して、消去したB層の直下にあるA層と整合するように、その上のA’C’AB…の結晶を (x,y)平面上でショックレー変位させた後c軸に沿って下方向に変位させ、また消去したB層の直下にあるA層は c軸に沿って上方向に変位させてフランク型積層欠陥を作ることを考えます。この操作を図 4-2に示します。消去したB層の直下にあるA層四面体の上に積層することが可能な四面体は図1-3に示されているようにB層かあるいはC’層です。図 4-2(a)では、消去したB層の直上にあるA’の四面体をC‘に変位させ、その上の結晶全体を同様に変位させます。このA’→C’の変位の(x,y)成分は、ショックレー変位と同じ方向、同じ長さなので、ショックレー変位と呼んで良いでしょう。図 4-2(a),(b)はフランク型部分転位のコア構造を示しているとも考えられ、バーガース回路を描くと、バーガース・ベクトルはb=-c/4[0001]+ a/3<1100>になります。
しかしながらこの、図 4-2(a)のA’/B→C’/Aの変位はショックレー変位としては、今までとはちょっと雰囲気が異なっています。A’/B→C‘/Aの変位は図1-4の表にはありません。そして、プライム付きのA’からプライム付きのC’への変位は今までのショックレー変位と異なる変位です。ショックレー変位に伴って四面体は向きを変えていません。四面体は単に平行移動した状態だと考えられます。この平行移動的な変位の周りでは四面体は弾性変形していると考えられます。図 4-2(b)は消去した層の上の層の四面体A’を四面体Bへ変位させています。このA’/B→B/Aの変位もショックレー変位と同じ方向、同じ長さと考えますが、連載”その(1)”の図1-4の表にはありません。一応ショックレー型変位ですが、図 1-4で整理したショックレー型変位とは少し異なる変位のようです。

図 4-2(a)は、消去した四面体層の直上の四面体はハシゴを外されて足場が無くなり、足場を確保するために単純に平行移動して、下の層に着地することを示しています。似たように平行移動して、四面体の向きを変えて着地する場合が 4-2(b)だと考えられます。そしてこれらのショックレー変位は、連載その(1)で解説したショックレー変位とはちょっと異なったショックレー変位だということがわかります。
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